長期熟成酒研究会
長期熟成酒研究会がお届けする旬な熟成古酒話・イベント情報などなど…。
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第5回 熟成古酒を極める! 『龍力』 
〈特別寄稿〉
「熟成は旨さの芸術」
株式会社本田商店 代表取締役 本田眞一郎


本田眞一郎
 世界中のお酒を見ると、熟成をすごく大事にしている、そして熟成をすることによって素晴らしく美味しいお酒の世界があり、その過程の話がそのお酒をより美味しく、価値のあるものにしています。

 ふり返って、わが国の清酒を見た時、熟成と言う概念はどうなのだろうか。

 古酒、大古酒などと熟成酒を美味しいお酒として捉える言葉が余りにも貧弱に感じてなりません。

 弊社においても熟成の議論は昔から少なからずありました。特にお燗をして美味しいお酒とは、との話の時、バランスの良い純米酒を2~3年寝かせておくと、口に含んだ時お酒が舌にさっとなじみ、なんとも言えない旨さを感じる、と言う意見が多くありました。

 新酒は若々しくて良いのだが、口の中で跳ね回る感じがします。上手く熟成したお酒は口にすこぶる馴染む等です。

 長期熟成酒研究会が発足して25年が経過した、弊社は発会時よりこの会に参加しているが、最初は上手に熟成したお酒は大変美味しい、その期間は1年・2年・3年なの程度の認識しかありませんでした。

 ある時、弊社会長の本田武義があるお酒の先生と言われている方から、日本酒度-12の純米吟醸酒を火入れをしてタンクで8年間貯蔵したら大変素晴らしい熟成酒が出来るよとのアドバイスを受けました。そこで早速実行をし、8年経った時開封をしてみると、琥珀色の何とも言えない馥郁とした香りの熟成酒が出来ていたのです。このときに我社の長期熟成酒が始まりました。

 このお酒が長期熟成酒の一つの基準となった「真古酒」になって行くのです。

 色々なお酒で熟成を試験してみた結果。
大吟醸酒の場合、弊社では-3度Cで熟成するが良いとの結論です。
香りはフルーティーなままで味は丸くなる、口当たりが大変良くなります。
純米酒の場合、甘めの純米酒を常温で貯蔵すると味わいのある純米酒熟成酒が出来ます。この場合酒造好適米のお酒が良い様に思われます。

 現在弊社では「特別純米雄町1999熟成酒」「古玉」「熟れ酒」を販売しております。

 まろやかでスムーズな味わいは熟成酒ならではと評価頂いております。

 長期に熟成酒を貯蔵して分かったことは、10年経った時には、5年ではこう変化する、10年ではこうなる、と言うことが分かります。20年経つと15年ではこう、20年ではこうなると言うことが分かります。熟成は経験そのものなのです。

 また、熟成酒研究会の研究からでてきた全麹のお酒の熟成は大変面白く新たにお酒の世界を広げようとしています。
全麹のお酒を長期に熟成すると最初はすごい澱が出ますが、時間と共に琥珀色のクリアーなお酒に変化して行きます。マデラー酒とかポートワインを凌ぐデザート酒になるかもしれません。
叉全麹仕込みの技術を活かして超甘口のお酒を醸造し梅酒等の果実酒を造りますと、糖類を使用しない糖類無添加の果実酒を作る事が出来ます。

 近年のヘルシー志向、糖類無添加の純粋志向にマッチした商品が生まれてきております。
熟成酒と言う切り口で清酒を見直すと、新酒はどのようなカタチが良いのか、
こんなカタチのお酒は熟成するとこうなる、などが分かってきます、熟成を研究することで清酒の味わいの世界が広がると言う楽しい発見が沢山あります。

 まさに、熟成は時間が作る旨さの芸術です。


平成22年1月   
龍力 蔵元 本田眞一郎




■本田商店の熟成古酒■


熟成雄町 1999年 【熟成雄町 1999年】…1,800円/720ml
★熟マーク認定商品
なめらかな口当たりに適度な熟成香と米の旨味が広がります。すき焼き・酢豚・串カツ等と合わせてどうぞ。
《オススメ料理》焼き鳥・鰻の蒲焼
●熟成年数:10年
●タイプ:濃熟
●種別:純米
●酸度:-
●アミノ酸度:-
●アルコール度:16%


古玉 【古玉】…2,625円/300ml
★熟マーク認定商品
きれいな熟成香、適度な旨味のバランスが良く、口当たりがスムーズな熟成酒です。
●熟成年数:-
●タイプ:中間
●種別:吟醸
●酸度:1.6
●アミノ酸度:1.4
●日本酒度:-4
●アルコール度:16%
●原料米:山田錦、五百万石


真古酒 【真古酒】…10,500円/720ml
★熟マーク認定商品
適度な熟成香が口の中に広がり、米の旨味と酸のバランスが絶妙な、日本酒本来の形を残した熟成酒です。
長期熟成を目的として五百万石を100%使用し、特別な仕込み配合で醸造しました。
●熟成年数:25年
●タイプ:中間
●種別:純米吟醸
●酸度:1.9
●アミノ酸度:1.7
●アルコール度:17%
●原料米:五百万石

 
熟れ酒 【熟れ酒】…2,100円/720ml
★熟マーク認定商品
「山田錦」を原料に醸造した清酒は貯蔵熟成すると美味しくなることを発見しました。柔らかな口当たり、ふくよかな香り、幅のある旨味が引き立っています。3年間蔵内熟成です。
●熟成年数:3年
●タイプ:中間
●種別:吟醸
●酸度:-
●アミノ酸度:-
●アルコール度:-
●原料米:特A山田錦






■会社概要■

 会社:株式会社 本田商店
 代 表:代表取締役社長 本田 眞一郎
 所在地:〒671-1226 兵庫県姫路市網干区高田361-1(JR網干駅より西に徒歩3分)
 TEL079-273-0151(代表)
 FAX079-274-2454
 http://www.taturiki.com



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第4回 熟成古酒を極める! 『花垣』 
〈特別寄稿〉
「熟成という価値を知る」
有限会社南部酒造場 代表取締役 南部隆保



南部社長 年号が昭和の終わり頃、中国を訪問した時のことである。日本酒の素晴らしさを教えるつもりで「大吟醸」を持参した。酒や食に詳しい中国人との宴席となった。食事はもちろん中華料理、白酒(パイジウ)と黄酒(ファンジウ)が準備されていた。白酒は長期熟成の茅台酒(マオタイジウ)、黄酒は花彫陳年紹興酒(シャオシンジウ)、が控えめに置かれていた。これは、私が特別の日本酒を披露することに対する飲み比べの挑戦を意味していた。

 中国を代表する酒の取り揃えである。白酒は華北・内陸部、紹興酒は華南と飲まれる地域が違うようだ。こちらは焼酎を持って来ていないのでオールジャパンとはいえないが、鑑評会金賞酒の大吟醸で一戦交えるつもりである。そして、中国人をあっと驚かせる魂胆であった。
 

  「乾杯!」、茅台酒で始まった。5-60度の一気飲みは胃にしみわたる。乾杯、字のごとく杯を乾さなくてはならない。強烈なエステル(カプロン酸・酢酸エチル等)、靴下の蒸れた臭い、セメダイン臭・・・「臭い」。しかし、何度か飲んで飲み慣れるとその匂いは気にならなくなり、やがて「悪くない香りだ」、「よい香りだ」と思えるようになる自分がいる。乾杯の嵐が過ぎると紹興酒となった、最初は常温で後に温めたものが出てきた。甘い芳香、濃醇でまろやか、とろりとした奥深い味わい、「これはすごい」。


 酔っぱらう前に大吟醸を飲ませなければ、準備よろしく持参の大吟醸で乾杯となった。「エッ、いつもと違う?」、皆さんおいしいとは言うものの、この程度かという顔色はぬぐえない。「しまった、飲む順番が違った」。そうだ、日本酒は繊細なのである。「カプロン酸エチルと酢酸イソアミル等のフルーティで華やかな上立ち香上品に広がる口中香、醴醇でふくらみがあり、すっきりとした、切れの良い味わいで、後味がよく上品。まさに繊細なる美味のしずく」というリアクションを期待していた。しかし、先に飲んだものが強烈なエステル、次に飲んだものが濃くて深いもの、このあとでは比較にならない、失敗であった。


  「そうだ、新酒だ」。口々に言われたことは、「青臭い」「日本の大吟醸は青二才」、確かにそうかもしれない、若々しさが取り柄だった、飲み比べて私もそう感じた。「中国4千年の酒の文化は熟成の歴史だ、日本の文化はまだ浅い」と言わんばかりである。熟成とは、まろやかで調和のとれた深みのある味わい、奥深さや風格、貴賓。つまり、時が刻んだ芸術であることを初めて知って、その衝撃に脱帽した。長期熟成の不思議と魅力を知り、「目から鱗」ならぬ「口中が開眼」した一瞬であった。

平成21年12月   
花垣 蔵元 南部隆保




■南部酒造場の熟成古酒■


大吟醸拾年古酒『大吟醸拾年古酒』…5,250円/720ml
★熟マーク認定商品

使用酵母:9号
日本酒度:+5
酸度:1.6
アミノ酸度:1.5
アルコール度:15.5
使用原料米:山田錦80%、五百万石20%
精米歩合:45%
保存方法:冷暗所


大吟醸伍年古酒
『大吟醸伍年古酒』…3,150円/720ml
★熟マーク認定商品

使用酵母:9号
日本酒度:+5
酸度:1.6
アミノ酸度:1.5
アルコール度:15.5
使用原料米:山田錦80%、五百万石20%
精米歩合:45%
保存方法:冷暗所



純米伍年古酒
『純米伍年古酒』…2,625円/720ml
★熟マーク認定商品

使用酵母:7号
日本酒度:+5
酸度:1.8
アミノ酸度:1.7
アルコール度:15.5度
使用原料米:五百万石100%
精米歩合:60%
保存方法:冷暗所 






■会社概要■

花垣蔵花垣のれん

 会社:有限会社 南部酒造場
 代 表:代表取締役 南部隆保
 所在地:〒912-0081 福井県大野市元町6-10(越前大野七間通り中央)
 TEL0779-65-8900(代表)
 FAX0779-65-1986
 http://www.hanagaki.co.jp/



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第3回 熟成古酒を究める!『麗 人』
〈特別寄稿〉
「私と熟成古酒との出会い」
麗人酒造株式会社 代表取締役社長 小松 修治


麗人酒造 小松社長
懐かしい思い出です。昭和41年から約3年間、当時の国税庁醸造試験所へ研修生としてお世話になりました。研究室は第三研究室。室長は大塚謙一先生。吉澤淑先生もバリバリの若手で、主任研究員として張り切っておられた時代でした。第三研究室はいわゆる洋酒の研究室で、ワイン、ウィスキー、ブランデー、ビールなどが研究材料でありました。毎年秋になると、何種類ものブドウでワインを仕込みました。長靴を履き、はぎれ桶の中で、ブドウを踏みつぶしたこと、鮮明に覚えております。当時導入されたばかりのガスクロマトグラフィーを使って、新鮮なブドウ果汁と出来上がったワインの香気成分の変化を分析するのが、私の役目でした。熟成年度の違うヘネシーやクルボアジェを分析して、コニャックの成分の違いも研究いたしました。



 月に一回のワイン研究会というのがありまして、坂口謹一郎先生もよく見られました。滝野川から比較的近い池袋三越で、研究会に使う数種類のワインやチーズをたびたび購入しに行きました。研究会の残酒は、喜んで毎回テイスティングさせていただきましたし、ポートワインやシェリーといった吊だたる世界の熟成酒にも出会うことが出来ました。



 こんな環境で過ごした私の経験は、故郷の酒蔵に帰ってからの日本酒の造りに、大きな影響を与えたのは言うまでもありません。さっそくシェリー酵母を使った熟成酒の研究に取り組みました。この研究は当時の第三研究室で研究していた課題でありますが、我が社の場合、幸か上幸か貯蔵中に偶然に生酸菌(乳酸菌、酢酸菌など)が入り込み、適度な酸味を生み出してくれました。『洒古里(シャブリ)』と吊づけて発売した純米酒も、現在7、12、21年物を販売しており、30年物も発売しようかと考えております。洒古里は白ワインを思わせる豊潤な熟成香と滑らかな酸味をもったお酒ですが、チーズやイタリア料理はもとより、酢カキ、〆サバ、お寿司などの魚介類にもよく合います。



麗人のヴィンテージシリーズ 同時期に計画的にストックを始めた大吟醸や純米酒も、酒蔵の中で順調に育っております。『越冬譜大吟醸20年』『越冬譜純米20年』も数年前に販売を始めました。さらに31年物から10年物まで、ご希望の年に生まれた大吟醸を受注出荷する『大吟醸ヴィンテージ』のシリーズの体制も出来ました。(詳しくは弊社HPまで)

古く鎌倉時代から日本人に珍重されてきた熟成古酒。宮中の行事などに使用されてきた九年酒。日本人は日本の食文化を大切にしてきました。1缶100円のビール風飲料が出回る殺伐な昨今の時代になっても、私どもは頑張っております。

2009年9月
麗人酒造株式会社
代表取締役 小松 修治



■麗人の熟成古酒■

麗人 シャブリ20年
『洒古里 12年』…2,100円/360ml
★熟マーク認定商品
≪合う料理≫チーズ、イタリアン、お寿司
熟成年数:12年以上
タイプ:濃熟 
種別:純米
酸度:5.0
アミノ酸度:―
アルコール度:12%
原料米:美山錦
精米歩合:70%




麗人 越冬譜20年
『越冬譜 大吟醸 20年』…5,250円/360ml
★熟マーク認定商品
≪合う料理≫ 和食
熟成年数:20年
タイプ:中間 
種別:大吟
酸度 :1.4
アミノ酸度:―
アルコール度:―
原料米:山田錦
精米歩合:45%



越冬譜純米20年
『越冬譜 純米 20年』…360ml/3,150円
★熟マーク認定商品 
≪合う料理≫ 中国料理
熟成年数:20年
タイプ:濃熟
種別:純米
酸度:1.7
アミノ酸度:―
アルコール度:17.2%
原料米:美山錦
精米歩合:70%



※このデータはH21年6月のものです。価格など変動する恐れがありますので、購入の際は蔵元へ直接お問い合わせ下さい。



■会社概要■

下越酒造の蔵会社吊:麗人酒造株式会社
代 表:代表取締役 小松 修治
所在地:〒392-0004 長野県諏訪市諏訪2-9-21
TEL(0266)52-3121
FAX(0266)52-3122
http://www.reijin.biz/










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第2回 熟成古酒を究める!『麒 麟』
<特別寄稿>
「私と熟成酒」
下越酒造株式会社 代表取締役社長 佐藤 俊一


 下越酒造 佐藤社長
弊社は前社長(父)と私の親子二代、国税局の鑑定官を勤めた(それぞれ22年、18年)特異な酒造場で、品質第一で、コストパーフォーマンスにすぐれた酒造りに励んでいる。熟成酒に取り組み始めたのは、昭和40年代後半から50年頃の吟醸酒の品質競争のはしりと繋がる頃と記憶しているが、そんな中で、鑑評会出品仕様の吟醸酒を冷蔵庫に貯蔵した所、3年を越える頃より味に丸みがあり、商品化のめどがたったので、サーマルタンクを導入し、5年熟成の『秘蔵酒』として販売する様になったと聞いている。



 さて酒造り後進県であった新潟清酒ではこの頃より、灘、伏見大手の攻勢に対する蔵元の危機感、県醸造試験場の指導、酒米『五百万石』使用の軟水仕込み、越後杜氏の技術競争が相まって、“淡麗辛口”路線を採択し、以後の地酒ブームに乗り、灘、伏見に続く出荷量第3位を占め、現在に至っている。この様な地元業界の流れの中にあって、大吟醸酒を低温で熟成し、大吟醸酒の良さを残し、さらに滑らかさ、コク、風格、余韻の長さが備わった淡熟型タイプの「秘蔵酒(写真1)」は、淡麗辛口酒の最上位酒、肴がなくともゆったりと酒自体の味わいを楽しめる特別な酒としての地位を占めていると確信している。



 平成5年に入社し、指導する立場から指導される立場に代わり、長期熟成酒研究会にも顔を出すようになり、会員の皆さんの酒をきき、情報交換、研鑚を積むにつれ、もう一方の濃熟型タイプの熟成酒の懐の深さ、変化の可能性の大きさを実感出来る様になった。最初はどうしても職業柄“ひね香”に対する良い印象を持っていなかったが、大成した濃熟型タイプ熟成酒は“老香”とは異なる積極的に評価すべき“熟成香”があり、幾層にも重ねられた複雑な香味のバランス、口中に溢れる豊かさと滑らかな喉越し、そしていつまでも続く余韻の長さが魅力的であると思えるようになった。しかし淡麗辛口の呪縛からなかなか抜け出せず、淡麗辛口酒の常温での熟成開始を経て、平成10年、昔、元禄時代の酒を指導した事を参考に、生障ル純米酒で初めて濃熟型タイプ熟成酒に挑戦したが、手違いでアルコール添加して生まれたのが、“麒麟 生モト 本醸造1998年”である。怪我の功吊か、ビギナーズラックか、現在、歳を経る程に上手く熟成して、好評である。その頃熟成酒の新しい概念として、自家熟適性酒が提唱され出した。濃熟型タイプ熟成酒後進弊社にとって、蔵元と共に消費者にも熟成させる楽しみを与える事が出来る素晴らしい機会に思え、如何に米の旨味を持った複雑で味のよい濃い酒を造るか、如何に熟成に耐える酸をもった酒にするか、前述の生障ル本醸造を凌ぐには?等より、『山田錦』を用いた、山廃、全麹仕込(麹歩合99%以上)、無濾過、純米原酒の“麒麟 自醸酒2000年”が開発された。新酒時でもドイツワインの様な甘さと豊な酸味を持ち美味しく飲め、通常の清酒よりはるかに早い速度で常温熟成している。



下越酒造の100年貯蔵の様子 銘酒と言われる酒はいずれも熟成によってその真価を発揮する酒である。私が銘酒と確信している日本酒の熟成酒の寿命はどれ程だろうか? 長期熟成酒研究会20周年の会で、80年熟成酒をきく機会があった。蓋を開けた時、溢れ出た少し甘いコゲた様な熟成香は素晴らしかったが、味の面では丸さがあり、酸味と苦味が感じられるも中庸なボデイで少し物足りない感じがした。まだ熟成する力は残っているが、もう少し甘味やパワーが感じられると申し分なかったのでは、と記憶にある。

弊社の『麒麟 時醸酒2005年』を出品して参加した『日本酒100年貯蔵プロジェクト』の酒をきく機会はないが、もし100年後にその機会があれば、弊社の時醸酒ははるかにパワフルで長命だろうと、ほそく笑んでいる。酒は文化であり、芸術。造り手の自己満足に終わらず、熟成酒を理解し、楽しむ消費者の協力を必要としている。『或る酒を十分鑑賞できると言う事は、めいめいの教養の深さを示していると同時に、それはまた人生の大きな楽しみのひとつである』と言う坂口先生の文章(日本の酒)のような大人になりたいものである。


2009年6月
下越酒造株式会社
代表取締役社長 佐藤 俊一



■麒麟の熟成古酒■

麒麟 秘蔵酒
『麒麟 秘蔵酒』…5,250円/720ml
★熟マーク認定商品
 香味の調和を崩さぬよう低温貯蔵。シェリーがかった熟成香と穏やかな吟醸香に、淡麗な味わいの中にも風格の感じられる旨味が調和。
≪合う料理≫ローストビーフ、鴨和風ロースト、鯛かぶと煮
熟成年数:5年以上
タイプ:淡熟
種別:大吟醸
酸度 :1.4
アミノ酸度:―
アルコール度:17.2%
原料米:山田錦
精米歩合:40%


麒麟 生モト
『麒麟 生酛本醸造1998年』…3,675円/720ml
★熟マーク認定商品
 濃い山吹色、酸味を出すため生酛を使用。甘味を感じる深みのある熟成香と醤油的なこおばしさ。ナッツやハチミツ様含み香に充分な味の濃さを実感。
≪合う料理≫ 豚の角煮、鰻の卵巻き、ハンバーグ、アン肝
熟成年数 :11年
タイプ:濃熟 
種別 :本醸造
酸度 :―
アミノ酸度:―
アルコール度:18.8%
原料米:五百万石
精米歩合:70%


麒麟 時醸酒『麒麟 時醸酒2001』…4,200円/720ml
★熟マーク認定商品
 やや芳ばしい立ち香に、しっかりとした酸味を甘さがやわらかく包み、チョコレート・アプリコット・ナッツ様な複雑な風味にあふれ、苦味が余韻をひきしめる。
≪合う料理≫豚の角煮、鯉こく、デザート(氷菓・果物)
熟成年数:8年
タイプ:濃熟
種別:純米
酸度:3.7
アミノ酸度:―
アルコール度:17.2%
原料米:山田錦
精米歩合:70%



※このデータはH21年6月のものです。価格など変動する恐れがありますので、購入の際は蔵元へ直接お問い合わせ下さい。



■会社概要■

下越酒造の蔵会社吊:下越酒造株式会社
代 表:代表取締役社長 佐藤 俊一
所在地:〒959-4402 新潟県東蒲原郡阿賀町津川3644番地
TEL(0254)92-3211
FAX(0254)92-5618
http://www4.ocn.ne.jp/~kirin/index.html








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第1回 熟成古酒を究める! 『初孫』
<特別寄稿>
「初孫の長期熟成酒への取組み」
東北銘醸株式会社 代表取締役 佐藤淳司


初孫 佐藤社長 全国の蔵元に先駆けわが社が長期熟成酒に取り組みはじめたのは昭和40年代の前半のこと、そのきっかけとなったのは吟醸の熟成酒となります。その頃の吟醸酒といえば、試験的に吟醸酒の醸造にトライしても、その酒が売れる市場のない時代でした。今でこそ日本酒ファンなら誰もが飲んだことのある吟醸酒ですが、当時はそんな酒があることさえ知られておらず、せっかく良い酒を造っても売れなかったわけです。ところが幸いなことに、わが社には煉瓦に囲まれた特製の冷蔵庫がありました。すでに吟醸酒の価値の高さに気づいていた製造責任者より、「デキの良い酒はとりあえず冷蔵庫にぶち込んでおけ」とのことになりました。



 さて、「初孫」の酒名は昭和のはじめに当家に長男が生まれたことから付けられたのですが、当人は蔵を継がずに映画や料理の世界に身を投じました。そして立ち上げたレストランが、後に全国的に名を知らしめた「ル・ポットフー」などです。


  フランス料理といえば飲み物は当然ワインとなるわけですが、蔵元出身の彼ならではの発想から日本酒でフランス料理を嗜むことができないかと考え、早速実家に掛け合ってみました。思案した製造責任者がひらめいたのが「冷蔵庫に寝かせたままの吟醸酒がある!」。そして誕生したのが、「秘蔵初孫」です。従来の日本酒ではこってりしたソースを使ったフランス料理を引き立てることができませんでしたが、5年以上も特製の冷蔵庫で熟成の時を過ごした「秘蔵初孫」には濃い味わいに負けない腰の強さが備わっていました。しっかりした上にまろやかさが兼ね合わさった酒質と、上品な吟醸の味わいはフランス料理に見事にマッチし、酒田のレストランでしか飲めないその酒は全国にその名を轟かせたのでした。



 また、わが社の長期熟成酒に関するエピソードをもう一つ紹介しましょう。昭和40年代の後半のこととなりますが、日本酒業界に「原酒ブーム」が巻き起こりました。当然のことながら初孫でも原酒の商品開発に立ち向かってはみましたが、一方で新商品は原酒を詰めただけで良いのかとの議論が社内ではじまりました。「せっかく出すのだったら、他の蔵にはない初孫ならではの商品にしよう」との思いで発売したのが、単なる原酒ではなく3年以上貯蔵させた「古酒三歳」です。発売して40年近く経ちますが、白い陶器に詰まったこの酒は今でも初孫の人気商品です。


 最後にわれわれの長期熟成酒に対して取り組む姿勢は、昭和40年代から今でも変わらないままです。20年以上も冷蔵貯蔵庫で熟成させた純米酒の商品化や、最近では値頃感も兼ね備えた「山田錦熟成純米酒」の発売など商品の開発から、料理との相性をはじめとした研究まで、長期熟成酒研究会とともに挑んで参りますので、今後ともお引き立てくださいますようお願いいたします。


2009年4月


■初孫の熟成古酒■


初孫秘蔵「初孫-秘蔵」…価格は要問い合わせ/300ml
昭和40年代より酒田のレストラン「ル・ポットフー」で提供されていた熟成酒の先駆けとなる大吟醸。
≪合う料理≫フランス料理
熟成年数:8年
タイプ:淡熟 
種別:大吟醸
酸度:1.3
アミノ酸度:1.1
アルコール度:16.0%
原料米:山田錦
精米歩合:45%




古酒三歳「初孫 古酒三歳」…720ml/2,063円(税込)
昭和40年代より酒田のレストラン「ル・ポットフー」で提供されていた熟成酒の先駆けとなる大吟醸。
≪合う料理≫フランス料理
熟成年数 :8年
タイプ:淡熟 
種別:大吟醸
酸度:1.3
アミノ酸度:1.1
アルコール度:16.0%
原料米:山田錦
精米歩合:45%





初孫低温熟成「初孫 低温熟成純米酒」…7,350円/720ml
★熟マーク認定商品
重厚さと上品さを兼ね備えた味わい。低温貯蔵庫で20年以上熟成させた稀有なタイプの熟成酒。
≪合う料理≫
山形牛のすき焼き、鮭の粕漬け、さざえの酒盗煎
熟成年数:23年
タイプ:中間
種別:純米
酸度:1.6
アミノ酸度:1.6
アルコール度:17.4%
原料米:ヨネンロ
精米歩合:60%







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